岩木山コラム (記事:岩木山麓に春来る)

05/12

岩木山麓に春来る

2011 05/12 カテゴリー : 岩木山コラム

オオヤマザクラの楚々とした紅色の花が山間に咲き始める頃、やっと岩木山の春がくる。ソメイヨシノの純白に近い色合いからすると紅色に近い花弁、花と一緒に出る赤茶けた葉がより地味というか質素なイメージの桜だ。絢爛豪華な弘前城の桜を観てきた客は、まだ咲いてないのと満開の山桜を観て言う。出店も無い桜並木は、それぞれの楽しみ方でゆったりと過ごしていただくことを勧めている。

時間が空いてるときは、できるだけ観光案内でお客様とカウンター越しの接客をするのではなく、一緒に歩くようにしている。観光協会は、岩木山を背に目の前には『森山』を観る。この山は、青森県立公園に指定されているが、土地は個人所有になっている。その所有者の一人が、山を整備して山歩きの好きな人たちに開放している。往復一時間足らずの低い山だが、20〜30分歩くと岩木山が目の前に広がる。入山する人のマナーが良いのか、持ち主の想いを理解しているのか奇麗だ。山道は落ち葉が敷き詰められたままで、ふかふかのジュータン状態で歩きやすい。5月7日、森山に関東からのお客を案内。中腹は足の踏み場も無いくらいのカタクリの花が咲き乱れていた。うす紫色の可憐な花は、実は天ぷらにすると歯触りもよく美味しい。

岩木山観光協会ではいろいろな地域活動をしている。その一つに不法投棄される産廃、一般廃棄物の処理活動がある。「岩木山がスキナンダ」というフレーズは、岩木山麓のゴミ収集活動を続けていく中で、参加者が腹立たしく思うその気持ちを表したものだ。捨てる人に捨てないでというよりも、岩木山が好きな人たちが多くなればとの願いから生まれたものだ。ポスター、Tシャツとネットだけではなく、岩木山観光協会から発信するあらゆるアイテムに載せている。

観光協会という存在は、何をすべきなのか。国が地方に観光推進を訴えかけてから、それほど時間はたっていないし、国交省に観光省が設立されたのもこの2〜3年で方向が定まっていない。弘前は、新幹線全線開通、JRが力を入れるディステェネーション(DC)、弘前城築城400年祭と大きなテーマばかりだ。しかし、東日本大震災がおきて一瞬のうちにすべてがストップしてしまった。もちろん、市長の決断で「自粛を解いて、元気に祭りも実施しよう!」の呼びかけに弘前城桜祭りの盛況だった。セレモニーのスピーチで、JRの偉い方も非常に評価をしていた。

「観光」とは何かとなると、上記のようなことばかりでないだろう。地域の活性化が主になるはずだから。観光客も死に体のその地に来る気はないだろう。本当の意味の元気さ、観光とは、その土地の人が観光客を意識した行動をするのではなく、嬉々として生きているその姿を見せることではないか。飾り立てた観光資源ではなく、昔からあるそのままをその土地の人間が愛しているカタチのままで『魅せる』ことなのではないか。

 

 

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