岩木山にどっさり雪が降っている。
町中とはいえ、自分の家も零下だ。羽毛布団を厚いのと薄目の2枚重ねで寝たら、さすがに汗をかいた。この時期、TV・新聞・雑誌には必ずと言っても良いほど「羽毛布団」「ダウンジャケット」の広告が目に留まる。汗をふき、一枚の羽毛布団をやめて毛布に変えた。再び、寝に戻ったが寝つかれない。
羽毛布団の中身はどれだけの水鳥からの羽根を使用しているのか、と考え始めたのだ。
羽毛は枕にも使われているし、明日着ていこうとしているジャケットもそうだ。
最近では、外着としてのダウンジャケットではなく、インナーとして着るものが主流になっている。いろいろなメーカー、特に安価な日常の衣料を提供して世界に進出している『ユニクロ』は、今までダウンジャケット等とは無縁の人々にも手が届く価格で販売し始めた。
家具、日用雑貨、特に寝具にも力を入れている『ニトリ』の存在もある。羽毛布団は、何十万円という高額賞品だったが、いつのまにか誰でも買える物となった。製品の中身が違うのか、自然の鳥などではなく、大量に養殖し始めたという事なのか。
自然環境保全を実践する活動家達も、山に入るときはダウンジャケットを着ている。彼らは、自然派をモットウとしているにもかかわらず、水鳥の羽根をむしった衣類を着用する事に抵抗はないのだろうか。などと、言いながらも、私も何着もダウンジャケットを持っているのだが・・・。
どう考えても、羽根をむしられ、丸裸になった水鳥を想像してしまう。そこで、ネットを駆使して「羽毛」の製品に関して調べることにした。
一口に「羽毛」といっても、種類も用途によって異なるようだ。
<羽毛>
羽毛1つ1つはダウンボールと呼ばれ、真ん中の核から手のひらのように羽枝がたくさん広がった構造を持っている。羽枝を広げた羽毛同士が集まると多くの空気を保持することができ、それが保温層となって保温力を保つ。羽毛の羽枝は柔らかいが復元性に優れ、空気を含むための嵩(かさ)を稼ぎやすくなっている。雛鳥よりも成鳥から取れた羽毛の方が、1つ1つのダウンボールが大きいため嵩が出て保温性が高い。寝具や防寒具の中綿として使用されるふわふわした羽毛。羽根毛、ダウンなどとも呼ぶ。多くの空気を取り込むことができ保温性に優れていることから、衣料品(ダウンジャケット)、布団(羽毛布団)、寝袋(シュラフ)、枕として用いられる。
これらの素材には高緯度地域で飼育された、ガチョウやアヒルの胸付近の綿毛が用いられていることが多い。ガチョウの胸毛はグースダウンと呼ばれ アヒルの胸毛はダックダウンと呼ばれている鳥の羽毛のうちでも軸の通ったもの、羽条の整ったもの、見た目の美しいものは、それぞれに重宝され、さまざまな用途に使われてきた。
pen がラテン語 penna 「羽根」に由来することからもわかるように、西洋圏では最も早くに広く普及した筆記具が羽根ペンであった。羽根英の軸は中空になっていて適量のインクを保持できる。これを適時インクに浸しながら字を書いたものである。宗教的・呪術的な意味づけや、後にはおもに審美的な理由から、装身具としても多用されてきた。民族衣装に羽根を使っている民族も多い。特定の色に染めた羽根を身につけることで思想や運動への賛意を表明するもの。またチャリティーや啓発キャンペーンのアイキャッチにも利用される。赤い羽根の共同募金、緑の募金、黄の腎臓移植運動などと、数は多い。また、矢羽(やばね)、羽根つきの羽根、バドミントンのシャトルコックも長い歴史が有る。
さて、羽毛製品の生産実態はどのようになっているかだが、製品に使用されている羽毛は、一羽の鳥から採取できる羽毛の量が限られている。動物愛護の間違った認識と動物愛護協会の意図的な情報操作が激しい状況となっており、これらを受けて行われる極端な抗議活動を避ける為に、環境破壊を覚悟に多くの地域で、ハーベストダウン(換羽期の手詰め)の収穫量が極端に減ってきているのだ。そこで、現実としてダウンと呼ばれる綿毛は水鳥しか持っていないが、ガチョウ(グース)とアヒル(ダック)とマスコビーの3種類家禽の食肉産業からの副産物、屠殺時に採取される羽毛を供給源としているのが実状である。
さらに、食肉産業のコスト競争により水鳥飼育もブロイラー化、品種改造による短期間飼育に移行してきている。これによって、羽毛自体の成長は二の次になる為、換羽回数の減少などによりダウンの小粒化、羽枝の低密度が進み品質が大きく低下した。しかし,これらの問題を解決すべく専門家たちの研究によって、現在では品質の高い羽毛が食肉産業から獲得可能になっている。
納得したような、しないような―—やっぱり「イナバの白ウサギ」ではないが、丸裸の鳥肌状態になっている鳥を想像する。春が待ち遠しい毎日だが、水鳥にも春は来るのだろうか。







